ムルバリア語は、ラテン語、およびその継承者であるイタリア語、スペイン語、フランス語といった現代ロマンス諸語を手本とした、人工言語の一つです。 linguaomnis が2023年から開発と運用を続けています。

ムルバリア語は、ラテン語の歴史的情緒を大切にしながらも現代ロマンス諸語のモダンな使用感を達成することをゆるく目指しており、 このために文法や語彙をラテン語や現代ロマンス諸語からかき集めて再構成しています。ほんの少し、創作も入っています。

もうちょっと詳しく

ムルバリア語は、単に linguaomnis 個人のロマンス語に対する興味関心から生まれたものであり、不特定多数の人々の間で意思疎通を図ることを目指していません。「補助 (auxiliary)」の意志がありませんから Esperanto, Elefen, Interlingua (by IALA), Interlingue (Occidental), Romance Neolatino といった国際補助語 (international auxiliary language) ないし地域補助語 (zonal auxiliary language) とは一定の距離を置いています。

とはいえ、実際できあがっているものはロマンス系の地域補助語といって差し支えないくらい、ほとんどロマンス語です。また、補助語を個人利用してはいけないという決まりも何もありません。先ほど挙げたように、ロマンス系の人工言語はすでに多数考案されています。ではそんな中でなぜムルバリア語なのか。ムルバリア語は他のロマンス系人工言語と何が違うのか。ちょっと見てみましょう。既存のロマンス系人工言語を調べてみると、次のような傾向が見えてきます。

  • 曲用・活用形態が、現代ロマンス諸語と同等か、それよりも簡素になる(曲用における格語尾の消失、活用における数・人称語尾の消失)。

  • 複数形を表すマーカーとして、西ロマンス系(フランス語、スペイン語)の -s を採用する。

まさに、ムルバリア語は、これらの傾向に反する特徴を有しています。曲用は、ラテン語からはかなり簡素化しているけども、直格と斜格の2面を保持しています。また、複数形を表すマーカーは、東ロマンス系(イタリア語、ルーマニア語)の -ae, -i を標準としています。これらの特徴によって、ムルバリア語は数あるロマンス系人工言語の中でも独特な色を発しています。

ムルバリア語自体、初案から現在に至るまでにかなりの変化を経ていますが、この二大特徴は出発当初からずっとムルバリア語の変わらない「味」になっています。これが、ムルバリア語でなければならない理由です。

参考書・参考サイト

  • 大橋保夫 et al. (1993), “フランス語とはどういう言語か”, 駿河台出版社
  • 瓜谷良平 (2002), “スペイン語の入門”, 白水社
  • James Morwood et al. (2005), “Pocket Oxford Latin Dictionary”, Oxford University Press
  • 田村毅 et al. (2005), “ロワイヤル仏和中辞典”, 旺文社
  • 原誠 et al. (2018), “クラウン西和辞典”, 三省堂
  • 坂本鉄男 (2009), “現代イタリア文法”, 白水社
  • 秋山余思 et al. (2011), “プリーモ伊和辞典”, 白水社
  • 山本太郎 (2013), “しっかり学ぶ初級ラテン語”, ベレ出版
  • 目黒士門 (2015), “現代フランス広文典”, 白水社
  • 水谷智洋 et al. (2020), “羅和辞典”, 研究社
  • 山本太郎, “山本太郎のラテン語入門”, https://aeneis.jp
  • Enrico Olivetti, “Online Latin Dictionary Olivetti”, https://www.online-latin-dictionary.com, Olivetti Media Communication
  • Michael Kellogg, “WordReference.com”, https://www.wordreference.com, WordReference.com
  • (Various Editors), “Wiktionary, the free dictionary”, https://en.wiktionary.org, Wikimedia Foundation

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